年頭のご挨拶
2025年1月6日
お知らせ
年 頭 挨 拶
日本綿スフ織物工業連合会
会 長 平 松 誠 治
令和7年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年は、元日に能登半島地震が発生、9月には同地区に豪雨と、大きな自然災害に見舞われました。被災された皆様には、心からお見舞い申し上げますとともに、復旧・復興を願ってやみません。
一方で、日本を訪れる外国人は、過去最高となり、全国各地の観光地は、日本人を含めた多くの観光客で賑わい、活気溢れる年であったと思います。
賃上げムードも高まり、一部企業で過去最高益などの報道もありましたが、綿・スフ織物業界は、総じて苦戦が続きました。経済が悪化している中国や東南アジアの織布工場のスペースが空き、円安にもかかわらず生地が安値で輸入されたことも一因と考えられます。
また、年末には老舗の大手繊維メーカーが、繊維から撤退といったニュースもあり、国内繊維産業全体に暗い影をおとしました。
そうは言っても、我々、綿・スフ織物業界は下を向いてばかりおれません。
原材料高、エネルギー高、あるいは企業存続の一番の課題である後継者問題や人材の確保は引き続き重要な課題となりますが、一部の企業では、DXへの対応、情報発信・ブランド力強化、海外展開等前向きに企業経営を行っています。
人材の確保については、昨年3月、特定技能制度に繊維業が追加されました。2019年の制度開始以来、綿工連を含めた繊維業界全体で要望していましたが、上乗せ4要件が設定され、綿工連では未確定な部分の情報収集と特に要件の1つである、国際的な人権基準を遵守し事業を行っていることについて、中小零細企業が取り組みやすい運用を関係先に要望しています。
また、6月には、外国人技能実習制度を見直し、育成就労制度が3年以内に施行されることも決定、2027年4月スタートと言われています。技能実習生を受け入れている企業は、特定技能と育成就労の両制度の今後の動向を注視していくことになります。
本会の事業としては、2025年度も一般財団法人での助成金事業を実施して参ります。2019年度から申請書類の簡素化等を行い、申請も徐々に増え、助成先は60社近くとなっています。織物の生産性向上や省力化のための設備投資や展示会出展、新商品開発など、前向きな仲間を応援してまいります。
産地間交流や企業間交流として、次世代を担う綿工連綿’s倶楽部(旧青年部)の活動も支援してまいります。昨年も11月に同倶楽部委員が企画する全国交流会を愛知県内で開催しました。若いメンバーが交流し、将来の夢を描けるよう支援を続けていきたいと思います。
需要振興としては、「第12回綿織物産地素材展」も3月開催に向けて、出展者を募集し、準備を始めています。
取り組む課題は山積していますが、私は、現在約400社の仲間は、何かしらの強みを持ち、生き残った精鋭と思っています。今後も存在価値を高め、綿・スフ織物業を次世代に継承していくことが大事であり、願いであります。本年も綿工連と会員組合が一体となり諸課題に取り組む所存です。
令和7年元旦